前頭開頭に2時間の愚

手術が早く終わるかどうかというのは、多くの手術においては、術者の経験と技術に相関すると思われる。
一方、そのような手術では、"この手術であればこれくらいの時間かかるだろう”という目安があり、予定手術の場合はそういう時間設定をしているだろう。
その中で、若手医師が担当しても結果にほとんど差が出ないと思われる部分、例えば皮膚を縫ったり、糸を縛ったりというところで、まず教育が始まる。当然、許容される時間にはある程度の幅があるにしても、他職種のスタッフの手前、だらだらとやる訳にはいかない。

そういう意味で、今日の手術の開頭は時間がかかりすぎており、指導面では反省すべきものであった。だらだらやっているわけではないが、流れがない。
楽家が演奏している小節しか見えてなかったら、曲がぎこちなくなるように、外科医も全体の手術の全体のイメージと、その中での部分が見えてないと、まったくリズム感のないものになってしまうのを、毎度のことながら痛感した。