2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

無駄に器用さを要求する手技って一体..

Gliomaとか、metaとかで、腫瘍の進展範囲が曖昧な場合、Brainshiftが起こる前にNavigation systemを使って、チューブなどを挿入しておき、その範囲を切除するということがありまs。この際、PCIというNavi probeを使うのですが、これが使いにくい。 とにかく…

また深夜手術

くも膜下出血 WFNS grade 4, lt. IC-AchoA 5mm呼び出し当番ではなかったみたいだけど、AchoAは難しめなので、手伝ってきました。 0:15入室で、始めからハイテンションですが、スタッフの皆様いつもありがとうございます。CT上、Proximal Sylvian fissureに血…

頭蓋底手術の要諦

解剖の把握はもちろんです。 自分への投資と割り切ってcadaver dissectionに参加しましょう。その上で、静脈からの出血をいかにコントロールするか。Cadaverは血が出ませんから。しかも出るときは結構でるので、やっぱりSAHの術中破裂とかで揉まれた方がいい…

PhRMAタウンホールミーティングに参加した

院長命令で、丸ビル8Fでのミーティングに参加してきました。 このPhRMAという団体は、要するにアメリカ製薬業界のロビー団体のようですが、よく分からないものの若手医師・研究者との情報交換を行っているということです。 コンサルやってる、元レジデントと…

先日【19日)深夜の急患

本日、元の病院へ転院されました。 心臓がpacingされていたりして、脳よりもそちらの管理の方が重要ということで。正直なところ、患者さんにツキがあったというだけですが、 でも間に合って良かったです。

未破裂脳動脈瘤をどうするか

今日は、雑誌"救急医学"原稿の下請けをやってたのですが、脳ドックガイドライン2008がかなりまとまっているので、それでいいじゃん!!という感じです。で、SUAVe研究や、その他の未破裂脳動脈瘤の出血率に関する論文を読み直すわけですが、やっぱり、5mm未満…

深夜の急患

深夜1:40に救急call.近所の心臓外科単科病院で心臓外科手術後、heparin, warfarin, aspirin投与中の患者が意識障害。 そこの病院の医者がフィルムを持ってきているらしい。当直医の説明も、後頭蓋窩に血腫があること以外は要領を得ず、取りあえず写メしても…

先日の顔面痙攣の患者さん

先日、1日早く外来にいらしたようで、junior doctorが抜糸してくれたが、 どうもstaplerの針が1針残っていたようで、blogにupされておりました。言い訳にはならないですが、極小剃毛で手術していて、もとの髪が長くて、パーマがかかっていたりするとナイロン…

脳動脈瘤が見つかったら

今日も脳ドックで脳動脈瘤が見つかったという方がいらっしゃいました。 ご主人と一緒に (多分軽い気持ちで) 受けてみたら、動脈瘤が見つかってしまったという方です。SUAVe studyの結果が出てからは前交通動脈瘤以外の5mm未満の動脈瘤は原則経過観察をお勧め…

Traineeは手術に対してどういうスタンスで入るべきか

"患者の人生を手術する” 脳外科医にもTrainingの時代があります。前回言及したような卓上顕微鏡で行うトレーニングがその第一歩ですが、誰がやってもあまり結果が変わらない、巨大脳内出血などもそういう手術の一つです。 もちろん、自分で患者さんなり、ご…

手術の練習道具の費用は補助されるべきか

切る、縫う、結ぶは外科手術の基本です。 なので、研修医の頃は豚肉を買ってきて、器械台の上に出したけど使わなかったメスを持って帰って切る練習をしたり、余った針糸でそれを縫ったりするということをしますし、手術着やそこら辺に転がっている椅子に糸を…

信頼だけがperformanceを保つ支え

今週は本当に泣きたくなるような術後出血・再手術の週でしたが、ようやく今日のCTと患者さんのコンディションで大丈夫じゃないかという心持ちが出てきました。 もちろん、まだ油断はできませんが、本当に患者さん本人と、とりあえず信頼して下さったご家族、…

大往生したければ医療と関わるな

今日も、抗血小板薬内服中の意識障害、巨大脳内出血の方が搬送されてきました。 81歳、優位半球出血で、このサイズであればおそらく死に至るであろう、比較的理想的なサイズで、脳卒中科Dr.も"自分だったら手術は勧めません"という説明をされたが、 もともと…

音楽のchunk

昔からリズムを取るのが下手である。Celloのレッスンで四分音符と十六分音符がスラーになっていたりすると、当然処理能力を超えてくるのだ。 Celloの先生曰く、"四分音符も16分音符でタタタタタと刻みながら弾くとうまくいくよ"と。 これが難しいんです。手…

発信力のある患者さん

先日手術をさせていただいた顔面痙攣の方が、実は結構有名な方だったことを、今日看護師さんからきいてしまった。 患者さんの業界に詳しい訳ではないが、数年前に著作が話題になっていたのにピンと来たのでwebで調べてみたらbingo... ”もっと早く言ってくれ…

気分転換

ラ フォル ジュルネ ジャポンで川久保賜紀さんのチャイコフスキーを聴いてきた。 ホール全体が1音も聴き漏らさないような張り詰めた心地よい緊張に包まれていて、弦の透明感のある響きに涙が出た。 もちろん大変な練習の上に成り立つ演奏だと思うけど、飛び…

不毛手術へのコンテクスト

個人的に不毛と思われる手術にも患者や家族・術者の思いがあるのは当たり前で、手術にいたるストーリーなり思い入れを否定するつもりは全くない。 手術というのは、最終的には術者と患者との契約で、信頼関係が出来上がっているから行うわけだから。 ただし…

手術は原則1chance

癌性髄膜炎による小脳浮腫・水頭症で手術を受けられた患者で、減圧不十分のためか、脳幹圧迫が来ている方がいる。 いきなり閉塞性水頭症で意識障害を来した場合、家族も動揺するだろうし、その緊急事態に対して減圧なり、ドレナージなりの適応は、社会的コス…

前頭開頭に2時間の愚

手術が早く終わるかどうかというのは、多くの手術においては、術者の経験と技術に相関すると思われる。 一方、そのような手術では、"この手術であればこれくらいの時間かかるだろう”という目安があり、予定手術の場合はそういう時間設定をしているだろう。 …