2012-01-01から1年間の記事一覧

92歳くも膜下出血....

一昨日、E1V1M1/GCS、意識障害で搬送されてきたくも膜下出血の方で、 >90歳の上、家族も延命を望まないということだったので、挿管もせずに見ていた方ですが、 回復してきたため、手術をさせていただきました。正直、年齢相応には脳も萎縮してるので、手術自…

5年来闘病された患者の死

5年前に結果的に20時間以上の手術を受けていただき、 その後の追加治療の後遺症で5年来リハビリを行ってきた患者さんが 今日亡くなりました。2週間くらい前に急変されてからは、ほとんど脳死のような状態で、 外見も変わってきていたため、なんとかならない…

またFBビデオ

今度は件のインドのDr.がビデオをupされてましたが、 三叉神経痛の除圧は、三叉神経にものが当たらないようにする、 というのが日本の場合常識になっているんですが、人種差があるのかな?三叉神経痛・顔面痙攣は脳外科手術のなかで最も美しい手術の一つなの…

第19回神経内視鏡学会に行ってきました

外来があったので、午前中のみ参加。拡大頭蓋底手術はそれなりの需要なり、展開が見込めるけど、 血腫除去は、なんというかいたたまれない感じです。それほど有用なら、RCTやって保存的治療or開頭術に対する優位性を高らかに宣言すればいいでしょうに。 そう…

手術適応は術者の技量次第

先日、入院されていた小脳出血の患者さんが、なかなかリハビリに乗らないということで、 血腫を取る手術を行いました。若いドクターが、"これくらいのサイズだったら、手術した方がいいですよね! "と 血気盛んに言うてきましたが、 手術適応というか、手術し…

小さい動脈瘤は赤い

今回の総会でもまた出てましたが、"小さい動脈瘤は壁が赤くて破れやすいのでは!?"ということに関して、あくまで私見ですが、1. 確かに小さい動脈瘤の壁は赤くて内部の血流が透見できることも多いです。2. そして確かに2mmくらいの動脈瘤でも、くも膜下出血を…

手術見学

今日は予定手術がなかったので、東京警察病院にATの手術見学に。開頭していた後期レジデントは動きが雑でしたが、 河野先生はさすがに上手。 conceptは若干違うかも知れないものの、操作は部長と大体同じで、 現時点のgoalはそのあたりにあるのだろうと思っ…

街頭歌唱

二期会の方が、60周年記念で、マリオンで街頭歌唱をされるというので、 wifeと聴きに行ってきました。 YouTubeを見て、なんとなく本当の街頭、というか路上でやるものだと思っていたら、 http://youtu.be/SXh7JR9oKVE 中の通路の人混みの中でした。 http://y…

学会準備

学会準備のため、泥縄的に過去のMRIをあさっています。 とはいっても、電子カルテでの検索のため、患者さんの数を考えると労力は10年前の100分の1程度だと思いますが。当院では、検査申し込みの際、もしくはMRIで新たな病気が見つかった場合、原則病名が付け…

地域の会

大日本住友製薬後援、地域の脳外科施設の会合がありました。うちのボスの、未破裂脳動脈瘤研究掲載のためのやりとりと攻防の話がとてもためになりましたが、 その他の演題との温度差が大きく、その辺の調整というかバランス感覚も大事なのかな、 と思う一方…

第1回湾岸脳神経外科懇話会

こういう会が一体いくつまで増えるんだろうと思いながら、 特別講演の斎藤教授(東大)のお話を聞きに行ってきました。難しい手術で痛い目に遭うことはやはりありますが、きちんとPDCAサイクルが回っていて、 個々の手術での教訓を自身の中でまとめられ、それ…

先日の,自分だったら何もしなくていいです、の方

50代脳内出血、脳室内出血後で、水頭症の治療をしなければ早晩植物症、後死亡だが、シャント手術を刷れば、dependentだが生き残れるでしょう、という患者さんの経過報告ですが、どうやら、こちらが言っていることの、(全部ではないにせよ、)結構な部分分か…

破裂した場合は、何もしなくていいですという方

一般論として、高齢になればなるほど、未破裂脳動脈瘤が見つかる可能性は高くなります。先週、後頭部痛で来院された方は、以前から大型の未破裂脳動脈瘤を指摘されていて、 ご高齢でもあり、ご本人も治療を希望されず、2年前からは通院もされていませんでし…

facebook関連

90年代の手術がuploadされているので、やはりここは、恥ずかしながらJapanese neurosurgeryを供覧するべきかと思い、14日のAcomをuploadしてみました。 Vascular neurosurgeonsというclosed groupなので、登録しないと見られませんが、NTT OBの勉強にもなる…

脳血流SPECT研究会

汐留に上記研究会に行ってまいりました。行く直前まで、外来後の疲労感のため直帰しようと考えていましたが、 IMP-SPECTの性質、というか測定値のfluctuationの仕組みや、水村先生(東邦大学)のSSP定性解析による経過観察の方法など、非常に勉強になりました…

自分だったらどうしてほしい?

以前言及した50歳代の脳内出血の患者さんが、後から見てもこれ以上は当院では無理という早さで減圧できたにも関わらず、意識レベルIII-100/JCS, E1V1M4/GCS, MRIで中脳後半1/3にMRI T2WI高信号を呈しておりました。 しかも1ヶ月程経って水頭症を来しており、…

第4脳室内腫瘍

脈絡叢乳頭腫43mmの方でしたが、 Drop metaを起こさない目的でen blocでの摘出というテーマを与えられ、 手術が5倍くらい難しくなった感じでしたが、やっぱり組織が全然違うので、工夫すれば脳とは剥がれる訳であり、あとはdrainerをやっつけないようにする…

再発未破裂紡錘状動脈瘤

中大脳動脈のfusiform aneurysmは形成的にclippingしても再発してくることが多いというのが、JNSだったかと思いますが、既に報告されております。4年前に丁度そのような症例を経験させていただき、そのときはまだこの論文のことを知らなかったのですが、やっ…

SAH Acom

50代男性 WFNS grade4のplanum sphenoidaleに癒着した破裂Acom瘤が搬送されてきたので、手伝ってきました。下前向きだったので、pterional approachで行きましたが、frontobasal v.がテント付近で硬膜に入っていて、前頭葉をあまり引けず、その点だけがやや…

80mmの髄膜腫

精神科に鬱病の診断で入院された40代の女性。 精査のため脳CTを撮影したら8cmの髄膜腫が大脳を圧迫しており、うつというより、これによる高次脳機能障害であったcase.左大脳半球が舌状に髄膜腫の表面を覆っており、硬膜越しでもこれを押すのは良くないと考え…

50代、高血圧性脳内出血..

今日は50代の高血圧性脳内出血、閉塞性水頭症の方に脳室ドレナージをさせていただきました。 何せ、病着後も降圧に抵抗性で、除脳肢位を呈してきたため、超緊急。まさか自分で執刀することになってしましました。 以前、救命センターにいたときに、ドレーン…

またfacebookネタ

facebookに症例ビデオを載せてくれる海外のDr.が結構いますが、 やっぱり10数年前の手術ですね。少なくとも血管障害に関しては、上山先生を始めとする先人達の洗練の賜ですが、 どう考えても(少なくとも学会にビデオを出してくる)日本の脳外科の方がはるかに…

伸縮包帯

毎度、不思議に思うのだが、医者になるまで包帯の巻き方を教わることもなかったし、脳外科の研修医になった後も、具体的の教わることはなかったように思う。 唯一、後頭蓋窩の手術で、術後に髄液漏が生じたときには、とにかく創部に圧が加わるようにぐるぐる…

久しぶりの形成外科合同、腫瘍摘出

久しぶりだとやっぱり疲れます。15.5時間。今日は、頚部での頚動脈確保、開頭、Sylvian dissection, 視神経管開放と、頭蓋底硬膜形成+閉頭と、割と地味な仕事で、場合によってはhigh flow bypass担当という位置づけでしたが、幸い内頚動脈は温存され、バイパ…

facebookネタ?

FBでvascular neurosurgeonsというclosed groupがあり、思考訓練のために書き込んだりしております。 今日も、右失明、左視力低下を来している内頚動脈大型瘤が提示されており、"患者は開頭術を希望せず”というくだりで、血管内治療の方々が書き込みをしてい…

IC bifurcation aneurysm

今日は6mmの内頚動脈分岐部瘤に対するクリッピングです。ここは必ず周囲に穿通枝とかHeubnerが絡んでいて、かつ前有孔質に動脈瘤が埋没していることがしばしばあるので、ちょっと難しめです。 最近では谷川先生らのanterior temporal approachが丁度、この当…

Olympus OME-8000

今日はSTA-MCA吻合術、つまりバイパス手術です。当院には幸せなことに三鷹光器製の軽くて明るい顕微鏡と、もう10年選手?の重くてズームスピードの遅いOlympus OME8000があるのですが、 今日は腫瘍の裏番組だったので、Olympusでの手術です。血管障害の手術は…

今日は巨大脳動脈瘤

今日は40代の血栓化巨大動脈瘤(VA)でした。 動脈瘤のすぐ遠位からPICAが分枝しており、いろいろ検討の結果、 distal clippingでflow reductionを図ることになり、anterior transpetrosal approachで行きました。 4年くらい前に集中して経験したので、余裕と…

増大傾向の高齢者の未破裂脳動脈瘤

今日は75歳、外来で経過観察中に増大してきた、中大脳動脈瘤に対してクリッピングを行いました。最近はご高齢の方こそ、mini-incision&小開頭で短時間で終わるのが良いと考えてますが、ボスの鶴の一声でzigzag incisionに。 小切開と通常切開の差は、結局開…

昨日の硬膜下血腫の方

中堅医師の若干の暴走のおかげか、致命的な事態には陥っておらず、 麻痺もなく、本日抜管できました。部長のところには各部署からクレームが行ったと思いますが、勝てば官軍的なところもあるので、穏便に済むのではないでしょうか?