80mmの髄膜腫

精神科に鬱病の診断で入院された40代の女性。
精査のため脳CTを撮影したら8cmの髄膜腫が大脳を圧迫しており、うつというより、これによる高次脳機能障害であったcase.

左大脳半球が舌状に髄膜腫の表面を覆っており、硬膜越しでもこれを押すのは良くないと考えて、まず小開頭でfeeder処理と減圧と考えて開始した。
しかし、さすがに8cmにも育つだけあって、feederが多数入っており、burr hole1つ開けただけで血液が噴き出してきた。
途中までは一応プラン通りにやっていたが、らちがあかないのと、面から出血してきたため、両側吸引管で2cm大の塊ずつ脳から剝離する、やや荒い展開に。幸い癒着が少なく無事に終了。

覚醒は良好で、結果としてはまあまあだが、予定外の輸血が必要に。

Sphenoid ridgeではなかったが、前頭蓋底の血管溝がある部分を、まず激しい出血と戦いながら、眼窩上壁から後壁を削除する、というのが最もスマートなプランだったかもしれない。