2016-01-01から1年間の記事一覧

NEJMの動脈瘤症例

先週の記事だが、New England Journal of Medicineという臨床医学では最も権威のある雑誌に巨大血栓化動脈瘤の症例が紹介されています。http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1513571 79歳の女性が、おそらく動脈瘤による圧迫とそれによる水頭症で、…

RCA analysis

失敗学などで出てくるRCA analysisは医療現場でも当然有用とされているのですが、 実際の手法は、やってみないとうまく行かないように思います。損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント 医療リスクマネジメント事業部のPDF http://oma-member.do.ai/1-1.pdf…

エリクソンの新作

1万時間の法則の元ネタの著者である A.Ericssonの本が出たので、読み始めた。超一流になるのは才能か努力か?作者: アンダースエリクソン,ロバートプール,Anders Ericsson,Robert Pool,土方奈美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/07/29メディア: 単行本…

まれな部分の動脈瘤

未破裂脳動脈瘤が見つかって、脳神経外科の外来を訪れる方は多いですが、そのほとんどの方は実際には「よくある」動脈瘤です。なにせ、50歳を過ぎると、およそ3~6%の方に未破裂脳動脈瘤が見つかると言われるので、100人、脳のMRI検査を受ければ3人から6人の…

一方の週間ポスト_かかりたくない病気、くも膜下出血

8月7日発売の週刊ポストでは、かかりたくない病気の一つにくも膜下出血が出てきます。くも膜下出血は発症すると、「バットで殴られたような」激しい頭痛があるというのが有名で、医師国家試験でも問われることがあります。それほどの激痛なので、経験したく…

最近の週刊現代の記事(未破裂脳動脈瘤の手術)に関して

週刊現代がここ数週間にわたって、医療を受けることの"危険性"について書いています。当然というか、悪くなった場合の問題が大きいこともあり、未破裂脳動脈瘤の治療に関しても指摘されています。(一部は現代ビジネスでも読めます) http://gendai.ismedia.jp…

年齢で手術適応を決めることについて

前回の講演会の話を踏まえてですが、 先月のSTROKE 2016での内頚動脈狭窄症に関する、西の方にある大学病院からの発表をまた思い出しました。発表内容は、75歳未満は内膜剥離術、80歳以上は血管内手術(ステント)という基準で治療を行っていて、その結果に関…

フレイルについて

今日は心臓血管研究所から山下武志先生を招いての心房細動の研究会でした。循環器科がホストで、脳外科の若手が前座ということで参加してきました。まず最初の話が、現在、日本で死亡数が昭和初期と同数になってきていることを提示。 もちろん、年齢構成が全…

対照的なお二人

先日の外来で、未破裂脳動脈瘤が指摘されている2人の方が来院されました。両方とも初回ではなく、経過を見ているかたです。 一方は"自分と同年代"で、3mm程度の小さい動脈瘤をお持ちの方ですが、 紹介元でも「治療した方がいいかもしれない」と言われたとい…

動脈瘤セミナー

大塚製薬主催のライブセミナーに参加。上山先生はまさにlast hopeなので、うまくいかなかった症例を提示されても非難されない数少ない先生であり、そのような症例こそ勉強になるわけです。 前にも提示されていたcaseですが、脳底動脈本幹を遮断すると血栓化…

内視鏡的神経血管減圧術

神経減圧術学会の際、八王子医療センターから内視鏡だけでMVDという演題がありました。2cmの開頭で、内視鏡の視野のみで手術を行うという演題で、思考実験としては考えていましたが、実際にやっているのをみると、どきどきです。内視鏡のメリットとして、局…

第18回日本脳神経減圧術学会

先週、仙台で顔面痙攣・三叉神経痛などに関する学会である脳神経減圧術学会があり、参加してきました。基本的には、それほど新しい内容が出てくる分野ではないと思われますが、それでも40を越す演題が出されていました。 同時開催のてんかん外科学会に参加し…

連続写真の同じ場所を切り出す(備忘)

論文を書いたりするときに、MRIやCTの一部を連続して切り出して、貼り付けたいことがあります。 以前に同じことをやったときは、大体の大きさで切り出して、貼ってはトリムを繰り返して、画像を作りましたが、やっぱり同じような単調な作業って、いろいろな…

手術の道具の使い方

先日たまたま、森田先生が日本医大の医局員向けに書いた記事を読みましたが、その中に「(手術)道具について」という回があります。 http://nms-neurosurgery.com/?tsubuyaki=道具についてhttp://nms-neurosurgery.com/?tsubuyaki=道具について②2回に分かれて…