RCA analysis

失敗学などで出てくるRCA analysisは医療現場でも当然有用とされているのですが、
実際の手法は、やってみないとうまく行かないように思います。

損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント 医療リスクマネジメント事業部のPDF
http://oma-member.do.ai/1-1.pdf

最近は多くの病院でそうなっていると思いますが、うちの病院でも医療安全に関してはいろいろワークショップなどもなされており、今日は他科の実際の症例についてRCA分析を行いました。

方法に関しては、[起こるべきではなかった事象]があり、その背景にある因子を"なぜそうなったのか"を繰り返しながら、根本原因を探っていく、ということになります。

今日のケースでは、
① 時系列に起こったことを並べ、その中から、実際にイベントに関係したと思われる事項をピックアップする。
② 各項目に関して、"なぜそうなったのか ?"と問いかけ、その答えをポストイットに書いていく。その答えに対しても"なぜ"を繰り返すことで、根本にある原因を探る。

と、シンプルな仕組みです。

失敗の分析においては特にそうですが、特定の誰かを責めない、システムの原因を探るということに留意する必要があります。

今回は、ファシリテーターをしてくださった副看護長が慣れていなかったこともあり、なかなか"なぜ ?"の連鎖が繋がらなかったですが、それでもそれなりの分析ができたように思いました。

気をつけなければいけない点として、どうしても分かりやすく、妥当性のありそうな答えに飛びついてしまい、そこから議論が進まなくなることだと思いました。
もちろん、それが最終的な解決策のこともあるでしょうが、分析の目的としてはモレなく背景原因を洗い出すことで、解決策はまた別の機会に考えるということを徹底しないと、結局表面的な解決策に終わってしまう可能性がある、ということがよく分かりました。

別に医療事故でなくても
・バイパスの遮断時間がなぜ20分もかかったのか?
とか、細かい内容でも同様の検討ができると思います。