2014-01-01から1年間の記事一覧

外科系医師の大学院

先日、大学院在学中の同門の医師達と食事をする機会がありました。自分より若い医師は皆大学勤務か大学院という会でしたが、 誰かが「大学院に行く間、手術しないことは不安じゃないの?」と聞きました。 (僕ではないですが)その答えに驚きましたが 「いや、…

National Clinical Database

脳神経外科学会もようやく全国でのdatabase構築に乗り出すようで、外科領域のNational Clinical Databaseに参加するということです。 昨日は、その説明会に参加してきました。以下 備忘のため 各施設データ入力担当者を決める。 オンラインでの登録 IDは病院…

ICSS ; CEA vs CAS

またCEA vs CASのRCTです。http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)60239-5/abstractどちらでも治療可能と思われる症候性、>50%狭窄に対して、CEAかstentingを行ったという論文ですが、 いまだにNASCETの基準で(血管内を含めた)…

ISAT 2

ISAT IIが始まっています。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23714335?dopt=AbstractISAT同様に"clip / coil どちらでも治療可能な動脈瘤を割り付けて"coilの優位性を証明するという目標です。 MCAもcoilで治療されることが多くなってきているということ…

EANS 2014 in Prague

結局 e-Posterしか採用されませんでしたが、参加してきました。 以下、興味を引いた部分 Parkinsonism, OCDほか精神疾患に対するNeuro-modulation (DBSなど)は発展の余地大。 Open surgeryの役割はどんどん少なくなるだろう。 (動脈瘤→血管内治療、glioma→薬…

顔面痙攣の認知度

さすがに神経内科・脳外科医で顔面痙攣を知らない人はいないと思いますが、 外来を受診される方に、いままでのエピソードをうかがうと、医療業界でも意外に認知度が低いことに驚きます。「目の周りがぴくぴくなる」「顔がぴくぴくする」「目が開けていられな…

外来で手術を勧めていた方のくも膜下出血

SUAVe studyやUCAS Japanの結果から、5mm未満の未破裂脳動脈瘤の方には、積極的には(血管内手術も含めた)外科治療を(ますます)勧めなくなりました。ただ、そんな中でも比較的若くて、形状が不整で、家族の方にくも膜下出血を患われた方がいたりする場合には…

てんかん講演会

東北大学てんかん科 中里教授の講演を聴きにいってきました。これまでも何度か聴きに行ったことがあり、同じネタを何度か聴いたことがあったので、今日も"C/V L&L", "「あたし結婚しません」と言っていた女性が幸せそうにお子さんを連れて外来に来た話"かな…

微小血管減圧術 (顔面痙攣) の喜び

顔面痙攣は通常、生命に関わる病気ではなく、治療の目的が"外見を治す"ことにあります。そういう意味で脳外科の中で扱う病気のなかではやや特殊な位置づけです。今日は外来に、退院後初の方がいらっしゃいましたが、"全然ぴくぴくしなくなって、ようやく前を…

小さい傷が必ずしもベストの解ではない

NTTでは、というかほぼ独断でやってますが、患者さんの体力や髪型、チームの開閉創の早さなども考慮して皮膚切開をzigzagにすることがあります。別に新規性があることではなく、形成外科領域では以前から行われていることで、zigzagにした方が後で傷が目立ち…

ジレンマ

今日はかなり若年の脳梗塞の方にバイパス手術を行いましたが、発症早期から別の専門医が担当してたので、基本的には説明からお任せで行いました。経験数が違うのでどうしても一つ一つの手技に時間がかかり、隔靴搔痒感に苛まれましたが、彼の作戦勝ちか、途…

独りよがりはー

昨日は進行性脳卒中の患者さんがいて、バイパスの手術を行いましたが、 業界では"Time is brain"と言われるように、時間が経てば、それだけ神経細胞が死滅すると考えられてます。 手術になるような方では、実際には体液(循環血液量)や血圧、薬剤の影響など、…

3日続けて内膜剥離術

6月4日から3日続けて内頚動脈内膜剥離術(CEA)という手術を行いました。内膜剥離術は、会津若松にいた3年間の間に50件くらい執刀させてもらい、NTTに来てからは内科医が熱心なこともあって、世の中的な症候性>50%以上の狭窄、無症候性>60%以上の狭窄より厳…

スタッフの血縁

今回はICUスタッフの親戚の手術をさせていただきました。NTTに異動になって8年目になりますが、8年前からお世話になっているスタッフから血縁の方をご紹介いただけるというのは、外科医冥利に尽きます。脳外科の患者さんは、NTTでは術後ICUで一応経過を見…

またしても90代

先月も90代の症候性頸動脈狭窄の手術がありましたが、 またしても90代の手術をさせていただきました。内膜剥離術の場合は少なくとも1ヶ月後に元気でいてくださらないと、合併症ということになってしまいますが、現時点では問題なさそうです。2例ごときで何…

やっぱりテレビは無理だわ

病院のネームバリューのためか、テレビ番組の中で使うコメントを求められることがあります。結局、不採用になったようですが、 「くも膜下出血後、リハビリで大変な時期を過ごしたが、家族の熱心なサポートがあって、今は元気に活躍している」 という方の特…

大学院がんばって

2年間一緒に働いてくれたスタッフが、大学院に行くということと、 また規定の年限が経ったということもあり、病院を去っていきました。世の中にはとっても器用な外科医とそうでない医師がいて、 前者は多分、大学院で3年、4年研究して、ネズミの手術なり…

90歳に脳外科手術?

今週は、症候性で、かつ元気ではありますが、御年90歳の頸動脈内膜剥離術(CEA)を執刀させていただきました。 "脳卒中の手術"全体にしても議論がつきないところではありますが、 高齢者の手術をどこまで行うか、という点に関しては常に悩ましい部分があります…

そして懲りずに続編のセミナーに

今日は同じ研究会の続編、秋田脳研の石川先生によるCEA, STA-MCA吻合術のビデオレクチャーに懲りずに行ってきた。両方とも技術的にはかなり煮詰まった手術であり、今回はどちらかというと若手向きの講演であることが分かっていたが、1. もしかしたら知らない…

期待はずれのセミナーの考察

賢者ではないですが、他の外科医が経験した失敗例、治療困難例を知識として知っておくことは同じ轍を踏まないために重要です。なので"いかに失敗を繰り返さないか"系の副題がついている研究会などにはなるべく出たいと思っているのですが、今日のは(あくまで…

Staffの家族

昨日は同僚のお母様の手術(未破裂脳動脈瘤)をさせていただきました。もちろん神経学の専門家なので、未破裂脳動脈瘤の自然歴、治療した場合のリスクなど一般的なことがらは当然知っているわけです。しかも7年も一緒に働いている同僚なので、実際の手術後の患…