てんかん講演会

東北大学てんかん科 中里教授の講演を聴きにいってきました。

これまでも何度か聴きに行ったことがあり、同じネタを何度か聴いたことがあったので、今日も"C/V L&L", "「あたし結婚しません」と言っていた女性が幸せそうにお子さんを連れて外来に来た話"かなと思って参加させていただきました。
結果的にはまた非常に勉強になりました。以下、備忘のため。
(そんなの当たり前だろという批判は最もですが)

1. 発作型をきちんと分類しなければならない。そのためにはビデオ脳波モニタリングが必要である。

2. 前頭前野など高次の発作では粗大な"neurologyを無視した"発作型になる。

3. 感覚性の発作では、変な症状ない? といったopen questionから、味覚、音、光など五感の症状を聴く。そうでなければ上腹部不快感、焦燥感、むかむかする感じ、デジャヴュなど内側側頭葉由来の症状をたずねる。
3'. 側頭葉てんかんでは本人は覚えていないことが多いため、携帯で電話して会社の同僚などに直接アナムネを取り、一次情報を得る。

4. 救急外来に痙攣発作の患者さんが来たら、
a. 神経系の専門医を受診するように伝える。投薬されている場合には現在の治療では不十分であることを伝える。
b. 運転は当面禁止である旨伝える。
c. 高所、プラットホームなどからの転落の危険性を必ず説明する。
d. 入浴・海水浴などでの溺水の危険性を必ず説明する。

5. 女性でてんかんを患っている方には、バルプロ酸以外でも、生理がある期間は葉酸5mg1xをずっと処方している。
(意図しない妊娠が起こりうるという前提)

6. カルバマゼピン酵素誘導が強く働くため、種々の薬剤の代謝を亢進させるのみならず、骨粗鬆症脳卒中などのリスクを著明に上げる。


特に6.に関しては、三叉神経痛でも処方するため、外来で800mgとか内服されている若めの方には再度手術を勧めるべきだという点でも参考になりました。