外来で手術を勧めていた方のくも膜下出血

SUAVe studyやUCAS Japanの結果から、5mm未満の未破裂脳動脈瘤の方には、積極的には(血管内手術も含めた)外科治療を(ますます)勧めなくなりました。

ただ、そんな中でも比較的若くて、形状が不整で、家族の方にくも膜下出血を患われた方がいたりする場合には、統計学的な出血のリスクを説明した上で、"自分の家族だったら治療します"と説明させていただいています。

そういう小型の動脈瘤はクリップの噛みしろが少ないという難点はありますが、基本的には重篤な合併症の危険性はほぼ0% ...心の中ではそう思っている訳ですが、昨今のmedicolegalな状況を考えると、そのような説明をするわけにも行きません。

その場の状況・空気を読みながら、治療を行った方がよさそうな方には、その方向で説明を行うのですが、経過観察を希望される方もいます。
多分ほんの一部の運がない方が、実際にくも膜下出血を起こすこともありますが、そういうときは、自分の判断は正しかった!と、少しは思ってしまう一方で、もっと積極的に治療を勧める説明ができたのではないかと思ってしまいます。

最近も、残念なことにそういう方がいらっしゃいましたが、幸いくも膜下出血の重症度としては軽く済んでいて、そこそこラッキーでした。