National Clinical Database

脳神経外科学会もようやく全国でのdatabase構築に乗り出すようで、外科領域のNational Clinical Databaseに参加するということです。
昨日は、その説明会に参加してきました。

以下 備忘のため

  • 各施設データ入力担当者を決める。
  • オンラインでの登録
  • IDは病院のIDとは異なるものを使用 (これはNCD内で一人の患者に対して複数IDのレコードができるのでは?)
  • 締め切り後の症例の追加はできない (登録症例に関する情報の修正は柔軟に対応)
  • 2015年1月5日からの運用だが、1月1日からの症例をさかのぼって登録。
  • 外傷後の頭蓋形成は大分類-外傷。その他によるものは別に扱う。
  • くも膜嚢胞は水頭症・奇形に。

- 頭蓋骨腫瘍・眼窩・頭皮腫瘍も脳腫瘍として登録
- 複数科合同手術は、今までの年次登録の通りに術者を登録。

  • まとめて入力、または入力中断は可能であるが、年度末(3月末)はサーバーが込むので、入力に時間がかかる可能性がある。
  • 入力内容と同じ項目のfilemaker fileをダウンロード可能にする(ただしそこからuploadはできない(?))
  • 専門医制度とlinkさせる予定であるが、目処は立っていない。

NCD上で臨床研究を行うことも可能なようで、まず未破裂脳動脈瘤の登録事業を行うようですが、
これは参加の同意が得られた施設のみだそうで、つまり自由参加。
治療される動脈瘤のうち、どれくらいがカバーされるかによって、結果の信憑性が大きく変わりうる類いの調査だと思いますが、
どうなるんでしょう。

もともとのNCDも有志が始めたシステムを拡張してできてきているということでした。
各施設のデータを元に、自施設の結果がどれくらい良いか(悪いか)feed backされるようですが、
"あなたの施設はxxに関しては全国平均以下の成績です"
という報告が来たら、
"ではその手術は止めましょう"もしくは"ではできる医者を招聘しましょう!"
...とはならないでしょうね。
"今度はがんばるぞ!”とか”今度はこうしてみよう!"となるかもしれませんが、普通に他の病院でできることなら、がんばらない方がいいわけで...


現時点では、登録によって保険点数に加算が生じるとか、臨床研修施設としての要件に含まれるとか、専門医試験受験資格に関わるといった、incentiveもpenaltyもないようですが、項目が増えて面倒になってくると、登録されなくなる症例が増えるのではないでしょうか。

性善説に基づいたシステムは脆弱じゃないのかな