ISAT 2

ISAT IIが始まっています。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23714335?dopt=Abstract

ISAT同様に"clip / coil どちらでも治療可能な動脈瘤を割り付けて"coilの優位性を証明するという目標です。
MCAもcoilで治療されることが多くなってきているということで、ISATではclipされていた動脈瘤を多く取り込みたいということのようですが、少なくとも以下のような問題があるように思われます。

1. くも膜下出血後"30日以内"の治療
2. inclusion criteriaはともかく、excludeされた動脈瘤のdataも登録すべきなのでは?
3. "どちらでも治療可能な"ということで登録されたISATの結果をclipのほうが良さそうな動脈瘤にも使っている状況を改善するものではないように思われる
(4. 英国とカナダの施設のみ (日本やUSAが入っていない!))

1.に関しては原則急性期に治療されるでしょうからあまり問題にはならないのかもしれません。

4. は個人的な感傷です。そもそもclipもendovascularも個人の技術に負うところが大きい訳であり、それがscienceになるのかというところです。ただendoの方が豚なりモデルなりで練習できるので、比較的均質化でき、一定レベルまでの上達が早いというのは確かでしょう。

...以前、救命センターの上司に「上手いやつしかできない手術なんてサイエンスにならねえよ」と言われたのを思い出しました。