Traineeは手術に対してどういうスタンスで入るべきか

"患者の人生を手術する” 脳外科医にもTrainingの時代があります。

前回言及したような卓上顕微鏡で行うトレーニングがその第一歩ですが、誰がやってもあまり結果が変わらない、巨大脳内出血などもそういう手術の一つです。
もちろん、自分で患者さんなり、ご家族なりに説明して、合意の上でという条件ですが、当院のようないわゆる有名病院では、その説明に下駄が履かせられるという(traineeにとっての)メリットはあると思います。

しかし、どこかで術者によって差が出る手術に挑まなければならなくなるわけですが、その時にどういう気持ちで手術に入るんでしょう?
自分が例の田舎の病院で修行していた頃、当時2年目の自分の上には部長を除くと、3年目,4年目のDr.しかいませんでした。でも年間300件以上を3人で手術して術後まで診ているわけで、手術に関していうと、まさに虎の穴のごとく、短期間で無理矢理鍛えられる訳です。
なので、かなり生意気な輩だったと思いますが、3年目の中頃からは、自分がこの病院で手術する以上、部長と同レベルの手術をする、という少なくとも意気込みでやってきました。
5年目で異動になった、都立病院でも、今の病院でも気持ちは同じつもりです。

翻って、うちのわかいもんは...!!
というと、また老人の愚痴になって申し訳ないですが、
なんなんですか?
お客さんですか?
患者は、どういう形にせよ、NTTで手術を受けたいと言っているということは、NTTなり部長の手術のqualityを求めているわけです。たまたま専門にズレがあるので、僕が血管障害をメインにやらせていただいているだけで、患者の求めるものに違いはありません。

もし、その中で手術の一部を任せてもらうことがあったら、それは科としてのqualityを要求しているということが分かってないのでしょうか?
だとしたら、あまりに甘すぎると言わざるを得ない。
じゃ、いつになったらquality operationができるようになるんでしょう?

というわけで、しばらく自分でやることにしようと思う今日この頃です。