再発三叉神経痛

先日、丁度自分がNTTに来る前に手術された、三叉神経痛の患者さんの再手術をさせていただきました。

当時から、当院は微小血管減圧術の症例が多かったため、一定の頻度で再発する方がいらっしゃるわけですが、
埼玉医大藤巻教授曰く、"再手術するかどうかは、前回手術した医者にもよる”と。

これは、前回の外科医が上手いと、癒着が少なくて、手術が比較的 初回手術と同様の環境でできる、
という意味ではなく、
むしろ反対で、前回の術者が、あまり上手でない場合には開頭が不十分で観察仕切れていない場合があったり、血管の移動が不十分なために、再度戻って圧迫していることがあるから、再手術で良くなる期待が十分持てる、という意味と解釈しています。

前回の手術記録にも現在のボスの名前が記載されているため、基本的には観察すべきところは観察されていると考えられましたが、MRI上、やっぱり三叉神経に血管が接触している可能性が否定できないということで、前回の術者からご紹介いただきました。

若干の工夫を要しましたが、やっぱり血管が周囲構造と癒着しており、これを丹念に細かくdissectすると、三叉神経との接触があり、transpositionしましたが、不思議なのは当時使用されていた、血管固定用のスポンジがなくなっていたのです。痕跡程度にこびりついている部分がありましたが、本体はなくなっており、そのために血管がいどうしたのか?
何度かスポンジでも施行していますが、結構脳組織に引っかかる印象だったので、このようなことになっているとは予想してませんでした。

で、三叉神経痛が良くなったかというと、現時点では判断が難しく、びりびりする感じが出たり、全くなくなったりと、fluctuateしており、良くなってくれることを祈るのみです。