第4回手技にこだわる脳神経外科手術ビデオカンファランス~備忘

森田師匠が始めたカンファレンスに演題を出してきました。

本当は去年発表しようと思っていたのですが、病院行事と重なったため1年越しのプレゼンテーションです。

”内頚動脈内膜剝離術でもほとんど出血なく展開できます”、という演題ですが、もともとは一昨年の会で、某大学病院が同手術で血まみれの鈍的剝離手術を出していたので、「それは違うんじゃない」という主旨です。

実際に映像を流してみると、かなり赤が強調されるプロジェクターで、あまり意図が上手く伝わらなかったように思います。
以前にも同じ会場で、ビデオを出していたにも関わらずなので、この点は大いに反省。

他の演題と比べるとかなり若い医者向けの話にも関わらず、質問が信州大学の教授だけで、無反応だったのが残念でした。

他の演題を見回すと、ほとんどが大学病院からの演題で、一生経験しないような脳腫瘍の話をしてもしようがないのでは?というのが正直なところです。

"手技にこだわる"という字面に素直に反応すると、
1. 件数が多い
2. 多くの病院で行われている
3. 自由度にある程度の幅がある
というのが、こだわりの出しやすいところだと思います。

例えば3.について考えると、内視鏡的血腫除去の演題の際に、「手技の演題があまりない」と別の教授が仰っていましたが、内視鏡的血腫除去では
a. アクセスが限られる
b. 道具が限られる(吸引管&内視鏡カメラ=種類がない)

という理由のため、こだわるところが「血腫をどこまで取るか」「ドレーンを入れるかどうか」「止血剤は何を使うか」くらいしかないのではないのでは?


その他備忘ですが、
(ここに書くような一般的で目新しいところがなかったのが、やや残念ですが、すぐに役に立つこととして、)

1. スライドの誤字が多いと、信憑性および「適当なプレゼンテーション」という感じがしてしまう。

 これは以前に書いたところと共通しますが、聴きに来ている人は貴重な時間を使ってくれているわけですが、それに対して不誠実な印象を与えます。

2. プレゼンの最中に「えー...」が多い。

 これも森田師匠から言われたことですが、調子を整えるために自然と出てしまうのでしょうが、プレゼンが非常に聞きづらくなります。(発表者が日本医大の医師だったので、余計にそう思いますが)。

両方とも内容はいいのに、すごくもったいないです。
(って、手術の内容ではないじゃないか...)


あとは、防衛医大の森先生の軍陣医学の話がありましたが、結論としては

頭部銃創は予後不良 (ほとんど治療適応なしという印象)。

森先生は、大学教授職で楽しそうに見える数少ない先生だなあ。