ひとり暮らしの不安

おそらく近隣のマンションに住む70代の女性が、頭痛、めまい、もの忘れが心配と受診された。

頭痛もめまいも たまにある程度で、脳の問題を疑うようなものではなく、もの忘れもときどき人の名前が出てこないという程度のもの。
(僕も出てきません)

身ぎれいにされていて、今もお仕事をされており、ポストイットを使ってto do管理されていて、Skypeを使って海外の友人ともやりとりができるということ。

タバコも吸わず、たまに少しお酒をたしなまれるということだが、ご家族にもはっきりした危険因子はない。

おそらく同年代のなかでは最も健康で余命が期待できる部類に入ると思われる。


ただ、おひとり暮らしで、ひとりで倒れるのが心配。
倒れなくても、脳がやられて呆けてしまうのが心配。


確かに孤独死の問題が取り上げられるし、脳卒中の診療をしていても、ときどき1人で倒れているのを「発見」されて、汚物にまみれたり、"床ずれ"ができたりして運ばれてくる来る方もいるので、心配になるのはよく分かります。

最近はSECOMなどが、こういう「1人で倒れたら」という不安に対応するサービスをやっていたと思うので、提案させていただきました。
https://www.secom.co.jp/homesecurity/plan/seniorparents/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=BR502gss&wapr=59421529
しかし、既に試されており
「マンションが停電しただけでも人が駆けつけてきて煩わしい」
ということで、解約したということ。

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”本当に”困っているときだけ、うまく気付いてやって来てくれる。

活字にすると、すごく難しいことだと思います。
ポットのお湯でモニターするとか、今はいろいろなサービスがありますが、何らかの形で個人の情報を共有しないことには気付けないです。
そして、その個人情報がどの程度守られているか、疑い出すとキリがなくなります。


じゃあ、今調べておけば、認知症孤独死を防げるのだろうか?

あるかもしれないし、ないかもしれない。

あるかも、というのは頚動脈が詰まりかけているとか、発作性心房細動があれば、予防的に手術なり内服を行うことで、リスクを減らせるということ

ないかも、というのは結局老化現象として脳卒中やらの病気が起こってくるわけであり、防ぎようがない部分が確実にあるということ。


ただ、いずれにしてもそれは、この不安以外は健康な方に、皆保険で行うことではないので、脳ドックをお勧めした。

こういう方が増えていくのかな...