顔面痙攣に関するダイアモンドの記事

木原弘美さんが、顔面痙攣に関する記事を書かれていた。

目の下がピクピク…顔面けいれんは何科を受診すればいい? | 医療ジャーナリスト 木原洋美「夫が知らない 妻のココロとカラダの悩み」 | ダイヤモンド・オンライン

至極、まっとうな内容。


ただ、僕は脳外科なので、ボトックスの満足度に関しては懐疑的である。

完全にバイアスがかかっているが、顔面痙攣の手術目的に受診される方の7,8割はボトックスを経験してから脳外科にくる。

その患者さん達が、ボトックスに関して不満に思うことは、次のようなことである。

1. 確かに外見上はぴくぴくしなくなっているけど、自分の中ではぴくぴくしているのが分かる

(これは、筋肉を完全に麻痺させると、目が閉じきらなくなって角膜炎を起こしたり、食べ物が口の端からこぼれるようになるため、避けられない。)

2. ボトックスが分解されてくると、やっぱりぴくぴくが出てきて、病院を受診する必要がある。このまま一生続けるのは嫌だ。

3. ボトックスの効いている期間が短くなってくる。

(毒素なので、免疫ができてしまうため)


手術を受けられた方のほとんどが、

「もっと早く手術するんだった」

と、おっしゃるのを耳にすると、満足度は 手術の方が高いのではないかと思う。

(もちろん、手術を受けるという一大決心をした後なので、不満があっても認知的不協和を避けるため満足していると思っている可能性などのバイアスが考えられます。)


ただ、高難度手術では必ずしもないが、病院によっては「どんな大手術?」みたいに切るところもあるようなので、やはり注意が必要。