小手術tips、その2 (慢性硬膜下血腫)

慢性硬膜下血腫の手術についてですが、この手術も脳外科医が最初に執刀する手術です。

局所麻酔で行うのが通常だと思いますが、研修医時代100件強の反省も込めて、メモしておきます。

それは、
「切開を小さくしすぎない」
ということです。

慢性硬膜下血腫をはじめとする穿頭手術(頭蓋骨に1カ所、または2カ所 孔(穴)を開けて行う手術)は、この
穴を開けるのに必要なだけ切開を置けばいいことになります。

自分もそうでしたが、ただそれだけの手術なのに、5cmよりは4cm、4cmよりは3.5cmと、少しでも短い切開で行おうとしてしまうんです。
(何も考えずに毎回同じようにやるのがいいかというと、悩ましいところですが)

しかし、小さい切開だと、両端でかなり引っ張られる形になり、さすがに裂けることはないものの、麻酔が効いていても痛いと思います。

局所麻酔に上達することも大事ですが、組織に無理のない手術が低侵襲に繋がるのではないでしょうか。